古いレコードプレーヤーと共に、真っ赤なソノシートが届いた。
針を落としてそっと聞く。
ノイズに混じって流れてくるのは、懐かしい、あの人の声。
ああ…やっぱりまだ、わたしはこの声を愛してる。
あの人を愛してる。
遠い空に輝く星
手は届かないけれど
光は見える 声は聞こえる
そう、わたしは遠くから
ずっとあなたを感じていた
幸せだった
ある日空から星が消えた
誰かと手を繋ぐために
あの星は地上へ降りた
距離は近くなったの?
でも見えないよ 聞こえないよ
大地を渡る道はこんなに遠く
人ごみであなたが見えない
どうしているの?
どこにいるの?
あなたの声 届かないよ
聞こえないよ
寂しいよ
悲しいよ
星のない空
見上げる
顔も知らない人なのにね。
どうしてこんなに好きなんだろうね。
諦められたと思ったのにね。