花よ、お前は
いくつの色を知っている?
知っている限りの色を並べて
浅薄に飾り立てればただ美しく
見る者もないままに散る

鳥よ、お前は
言の葉の意味を知っている?
誓いを捨てて高らかに歌えば
喜びに浮かれた歌の調べと
甘い秘密は広がる空へ

風よ、お前は
まとった香りの主を知っている?
借りた物はやがて帰って行くもの
いつか空虚になった自分に耐えて
涼やかな感触こそがお前の全て

眩しい昼も嵐の夜も
いつも変わらず空にある
穏やかに見つめる私を
時折は思い出して
見上げて



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