予告章 欲望の扉
「愚かな…」
薄暗い、牢獄にも似た陰鬱な部屋の中で、一人、彼はほくそえんでいた。
「ウェグラーも、クランスールも、自滅したか…」
下らぬ連中だったが、死に様は面白かった。そして、それなりに役に立った。
二人の勇者のこと、ファランキオの娘のこと、堕天使のこと。情報は、十分に集まった。
「これで、地上はわしのものになる」
老獪な魔人将軍は、静かに笑う。
見ているがいい。神など倒さなくとも、魔王など召喚しなくとも、このわしが地上の主になってくれる。
その時のために、今少し、力を蓄えておこう。やがて、その日は、訪れる…